再生可能エネルギー固定価格買取制度(さいせいかのうえねるぎーこていかかくかいとりせいど)
「FiT(フィット:Feed-in Tariffの略)」とも呼ばれる。再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどによる発電)によって発電された電気を、固定価格(あらかじめ決められた価格)で電力会社が買い取ることを義務付けた制度。ドイツが発祥とされるが、他にフランス、イタリア、スペインなども導入している。日本では東日本大震災直後の2011年4月に法案が提出され、8月に衆参両議員で全会一致で可決された。電力会社は再生エネルギーで発電された電気を強制的に買い取らされることになったが、その料金は電力会社がまるまる負担するわけではなく、「再エネ賦課金」という形で、消費者の電気料金に上乗せされることになった。電気が必要であろうがなかろうが、電力会社が強制的に買い取ってくれるシステムなので、再生エネルギー発電事業者は必ず儲かるビジネスモデルになっている。しかし、その負担は消費者の電気料金の値上げによって支えられることになる。FiTを導入したヨーロッパ諸国では、電気料金が軒並み上昇し、問題となっている。さらに、発電事業者は何もしなくても儲かるため、再生可能エネルギーの技術開発そのものが止まってしまうという、意図したこととは真逆の事態が生じてしまっている。日本では、大幅な値上げとなる前に各電力会社が買い取りをストップする措置を取っており、電気料金の暴騰にまでは至っていないが、「必ず儲かるビジネス」と思って大規模に投資した人たちの間からは不満の声が上がる事態となっている。