第83回「金よりも価値が高い日本国債」 2016年1月14日
1月14日、日経平均が終値で474円安となる反対側で、日本国債が買い込まれ、
長期金利(新規発行十年物国債金利)は一時0.19%(!)となり、史上最低を更新しました。
ちなみに、日本国債の金利はスイスに次ぎ、世界で二番目に
低い水準で推移しています(スイスは何と長期金利がマイナスです)。
しかも、日本国債を買っているのは国内資本には限りません。
中国や新興経済諸国の経済失速、さらには原油安が重なり、
「安全資産」へとマネーが動き、日本円への両替が増え、日本国債が
買われるというプロセスになっています。
日本円への両替が増えると、円高になります。
円高になると日本株が売られ、株式売却で得た日本円もまた日本国債に流れ、
国債価格を押し上げる(=国債金利が下がる)構図になっているわけでございます。
結局、世界最大の対外純資産国の国債ほど、安全な投資先はないという話です。
今や、安全資産の代表とされていた金(きん)よりも「安全」と、市場で評価される始末です。
加えて、日本銀行が量的緩和政策を継続している以上、
金融市場の国債はむしろ「逼迫」しています。つまりは、国債が「足りない」のです。
財政破綻です。プライマリーバランスの黒字化です。などと、
政界では相変わらず愚かな議論が続けられていますが、市場は正直です。
日銀の国債購入により、今や日本国債は「貴重」あるいは「稀少」な
金融商品と化しているというのが現実なのでございます。
長期金利が史上最低を更新した以上、金融市場が「国債を求めている」のは
明らかですが、政府は「新規国債発行の抑制」という、
意味不明な緊縮財政路線を邁進しています。
妙な話ですが、このまま政府が緊縮財政路線を堅持し、国債発行を
抑制すると、日銀が「国債を買おうにも、買えない」状況に至り、
金融政策も行き詰まることになるでしょう。
逆に、金融政策が行き詰まることで、政府が「渋々」国債を発行し、
財政出動を拡大するという、摩訶不思議な現象が2016年の
我が国では見られるかもしれません。
いずれにせよ、財政破綻などあり得ない「自国通貨建て国債」について、
「国の借金で破綻するっ!!! プライマリーバランス黒字化だ! 緊縮財政だ!」
と、間違った情報に基づき政策を実施してきた国家が、
行き着くところまで行き着こうとしているのが、現在の日本なのでございます。
原油価格の推移についての発信をお願いできますか
「金融市場に国債が不足している」、「デフレ対策として、財政破綻などあり得ない自国通貨建て国債の発行」について、居酒屋で銀行の部長に話をしたら、「日本国債の信用の暴落」「ハイパーインフレが起きる」という反論。「ハイパーインフレって?」と聞くと、「物価が2~3倍になる」という答えが返ってきたので、話をやめた。
日本国債が外資が購入するから円高になることは、理解いておりませんでした。
恥ずかしいかぎりです。
今の内閣わ金融政策又労働.医療.介護.TPP.農業.少子化どれ一つとっても.改革の元に悪くなるばかりです.いろんな分野に又.外資の規制が無い事.
今の日本国お救えないと思います.どれおとっても.グロ-バリストの頭
.今韓国の経済読ませてもらい.これから先が三橋先生のおっしゃる通りだと思います.本日の国会も底レベルでした.非情に良く解る様になりました.ありがとうございました. 岸本
ついに2016年2月9日、日本国債の金利がマイナスになりました。
三橋先生の情報が広く知られるようになればと思わない日はありません。
「日本国債が破たんする」ということを言われる人がいますが、
「じゃ、日本国債の金利は何で低いままなのだ。破綻寸前ならば葛藤する筈じゃないか?」
この質問には答えてませんね。
これは、三橋貴明さんの言われるように前提がおかしいのです。
僕は「正しい認識をみんなが持つようになればいいのに」ということを考えています。
三橋貴明さん、よろしくお願い致します。