第43回「真の「経済の三要素」」 2015年4月2日
現在の日本の「経済」政策の混乱の源には、経済と「経営・ビジネス」を
混同している人が大多数であるという現実があります。
皆様の中には、「モノ、ヒト、カネ」の三つについて、
「経済の三要素」と理解していらっしゃる人が少なくないのではないかと思います。
実は、診断士の際の勉強していた際に、何かで、
「経済の三要素はモノ、ヒト、カネの三つである」
と、書かれているのを読んだため、かくいう三橋もモノ、ヒト、カネの三つが
「経済の三要素」であると記憶していました。
実は、上記は明確に間違いで、モノ、ヒト、カネの三つは
「経営の三要素」「ビジネスの三要素」なのでございます。
Wikipediaやweblioを見てみますと、きちんと「経営の三要素」となっていました。
経済とは「経世済民」の略で、国民経済そのものを意味します。
経営・ビジネスと経済は違います。
そもそも、目的が違います。経営・ビジネスの目的は「利益」であり、
経済の目的は「国民を豊かにすること(経世済民)」なのです。分かりやすく書くと、
「自分の利益を最大化することが経営・ビジネスの目的で、
国民の利益(=所得)を最大化することが経済の目的」
と、なりますでしょうか。
ところで、新聞やテレビなどでは頻繁に「経済力」という言葉が使われます。
経済力とは、厳密に定義しますと「国民経済の供給能力」になります。
経済力がある国とは、「おカネがある国」を必ずしも意味しません。
おカネではなく、「国民の需要を満たすことが可能な供給能力」が
強い国こそが、「経済力がある国」になるのです。
すなわち、国民経済の強さとは「供給能力の強さ」と言い換えることができます。
そして、供給能力とは「人材=ヒト」「設備=モノ」そして「技術」の三つから成り立ちます。
発展途上国とは、ヒト、モノ、技術のいずれかが欠け、国民の需要を満たす
供給能力が不足している国を意味しているのです。
というわけで、真の意味における「経済の三要素」とは、モノ、ヒト、技術の三つになるわけでございます。
「経済の三要素」について正しく知ると、経済の三要素に入らない「カネ」にばかり注目が集まり、
誤った経済政策が打たれ続ける我が国の「根本的な問題」が理解できると思います。
今週も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
なるほど!
基本をしっかり押さえたいと思います。
そして、経済にまつわる色々を、自分の頭で考え、判断できる様になりたいものです。