第79回「マリーヌ・ル・ペン」 2015年12月10日
フランスの全国一斉の州議会議員選挙において、
マリーヌ・ル・ペン嬢率いる国民戦線が、
与党を中心とする左派連合などを抑えてトップになっています。
もちろん、11月13日のパリ同時多発テロの影響が大きいのですが、
それにしても不思議なのは、未だに日本や世界のマスコミが
国民戦線について「極右(Far Right)」と表現している点です。
現在の国民戦線は、移民問題について、
(1) イスラム急進派の二重国籍者が持つフランス国籍をはく奪
(2) 過激派系イスラムモスクの閉鎖
(3) 軍・警察・税関の監視強化
(4) 国境検査の強化
を訴えており、移民排斥などは謳っていません。
テロが発生する国の政党が、上記の政策を掲げることが「極右」なのでしょうか。
もちろん、ギリシャ「黄金の夜明け」のごとく、移民を外国に追放し、
国境線に地雷陣を敷く、などと主張すれば、さすがに極右なのかも知れません。
とはいえ、フランス国民戦線はそうではありません。
しかも酷いことに、日本のNHKなどは国民戦線について
「移民の排斥などを掲げる極右政党」と、事実無根なレッテルを貼っています。
国民戦線は、単純に「移民を管理・制限するべき」と
訴えているだけですが、それでも「極右」扱いです。
現在の世界主要国では、なぜ財界と左派リベラルが
揃って「外国移民受入」を叫ぶのでしょうか。
お花畑的な左派が「地球市民」的なイデオロギーから、
外国移民受入を主張するのは分かります。
ところが、日本でもドイツでもフランスでも、財界の企業人たちまでもが
「国境を引き下げ、外国移民を受け入れよう」と主張しているのです。
無論、財界が「外国移民を」と主張するのは、
低賃金労働者が欲しいためなのでしょう。とはいえ、
高々「利益」のために、国民国家を危うくする外国移民受入を、
よくもまあ平気で提言できるものです。
なぜ、財界のグローバリストと、左派リベラルの地球市民が、
口を揃えて「外国移民を受け入れよう」と叫ぶのか。
つまりは、国家観がおかしなことになっているのか。
このあたりの謎を解き明かすため、「いっそ、フランスを取材し、
マリーヌ・ル・ペン氏にインタビューしよう」という企画が持ち上がっています。
ご期待くださいませ。
PS
徳間書店「2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本」刊行になりました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4198640475/
ビジネス社「これからヤバイ世界経済-2016年を読み解く5つのポイント- 」発売開始しました!
http://www.amazon.co.jp/dp/4828418571/