トリクルアップ(とりくるあっぷ)
「トリクルダウン理論」の逆で、貧しい者を上へと引き上げることで、全体に富が行きわたるようになるとする考え方。格差拡大は、社会全体にとっても損失であり、非効率であると考え、貧しい者がいち早く上へと上がってくることで、社会全体の富も増えていくと考える。バブル崩壊以前の日本では、「一億総中流」などと言われていたように、格差をできるだけ小さくし、中間層を分厚くすることで経済成長を成し遂げてきた。日本の「護送船団方式」による経済成長を「トリクルダウンの成功例」と見る識者もいるが、これは「トリクルダウン」ではなく、「トリクルアップの成功例」である。