フォルクスワーゲン排ガス不正問題(ふぉるくすわーげんはいがすふせいもんだい)
2015年9月、ドイツの自動車メーカー「フォルクスワーゲン」が、アメリカでの排ガス規制をクリアするために、自社のディーゼルエンジン車に不正なソフトウエアを搭載していたことが明るみに出た。このソフトは排ガス試験を自動的に検知し、試験のときだけ排ガスをコントロールし、有害物質を大幅に減らすものだった。しかし、通常走行時にはこのソフトは作動せず、環境基準の40倍の窒素酸化物等を排出していた。CEOが辞任する事態となったが、事は収まらず、2016年のアメリカ国内でのディーゼル乗用車認可申請をすべて取り下げ、ドイツ政府はドイツ国内の240万台について強制リコールを命じた。さらに、アメリカ政府からは多額の違約金支払いが請求されると予想されており、ドイツ経済の牽引役をになってきたフォルクスワーゲンの経営危機が叫ばれている。