明治日本の産業革命遺産(めいじにほんのさんぎょうかくめいいさん)

2015年に世界遺産に登録された、日本の文化遺産群。正式な登録名称は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」。山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、岩手、静岡の8県に点在する23の資産で構成される。「主に九州、山口を中心に進められた日本の近代化は、西洋先進諸国からの積極的な技術導入によって進められ、それらの国と日本における文明の交流を示す顕著な事例である」「鎖国状態にあった日本において、非西洋地域で初めて、約50年間という短期間で飛躍的な経済的発展を成し遂げた産業遺産群は、その歴史上の重要な段階を物語る建築物をまとまった集合体として捉えることができる顕著な事例である」と評価された。江戸時代には、(安全保障等を含む)国内の需要を国内で供給できていた(これが三橋貴明による「先進国」の定義)が、黒船来航と開国によって特に安全保障上の需要を国内のみで満たすことができなくなった。その日本が再び先進国に戻るために投資された重化学工業の拠点がこの「明治日本の産業革命遺産」である。なお、世界遺産登録決定に際し、世界遺産委員会開会後に韓国側から決議案に「強制労働」を明記するように求められ、会議は混乱をきたした。「強制労働(forced labor)」の表現を「労働を強制された(forced to work)」とすることとし、遺産登録されたが、禍根を残しかねない決着となった。


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