第68回「日本の希望」 2015年9月24日

農協改革に代表される構造改革の「根っこ」は何なのでしょうか。
月刊三橋「特別コンテンツ」に掲載された、

【対談】三橋貴明×堤未果(『沈みゆく大国アメリカ』シリーズ著者)

http://keieikagakupub.com/38news/20150702_talk_tsutsumi/

を、ご視聴頂ければ、あらかた理解することができます。
本コンテンツは以前のバージョンは音声に難があったのですが、
改善されて聞きやすくなっています。

是非、ご視聴くださいませ。

月刊三橋「特別コンテンツ」といえば、お待たせいたしました、

【対談】第2弾 三橋貴明×齊藤元章(株式会社ExaScaler、株式会社PEZY Computing代表)
『世界1〜3位独占!次世代スパコンから見る経済と未来』

http://keieikagakupub.com/38news/201508saito_exascaler/

が公開になりました。
堤さんとの対談は「亡国」」の話ですが、齊藤社長との対談は「希望」の話になります。

現在の世界は、レーガノミクスに端を発した「グローバリズム」に
席巻されている状況にあります。グローバリズムとは、
モノ、ヒト、カネの移動の自由(自由貿易、規制緩和などによる)を拡大することで、
「利益」を最大化するという考え方です。

つまりは、価値観の基本に「利益」があるのです。
グローバルな株主・投資家の利益を最大化するための
経営、経済政策が追求されるのが、グローバリズムの本質なのでございます。

利益最大化を価値観の基本に置くと、様々な問題が生じますが、
個人的には「最大の罪」は将来への投資を削減してしまうことだと考えています。

投資とは、リスクがあります。どれだけ懸命に
調査し、分析し、投資したとしても、失敗の可能性は常に付きまとうのです。

投資金額は、減価償却という形で「費用化」されていきます。
利益最大化を追求するグローバル投資家にとって、
リスクがある割にリターンをもたらさない可能性がある投資、
特に技術開発投資は「邪魔」な存在なのです。

技術開発におカネを投じず、いかにして企業の競争力を強化するのかといえば、
「そんなものは、他所から買ってくればいい」
という話なのでございます。

未来予測で定評がある政治学者、ジョージ・フリードマンは、
著書「続・100年予測(14年9月、早川書房)」において、

「次の10年は、技術が必要に追いつかない時代になる。
従来技術が限界を迎えているのに、代替技術がまだ確立していない
という事態も生じるだろう。技術進歩が不十分ということではない。
電気自動車や携帯電話は次々と新しいものが販売される。

不足するのは、新たなニーズやすでに差し迫ったニーズに応える
画期的な技術、つまり真の経済成長を促す飛躍的な進歩なのだ。」

と、書いているのですが、「技術」が不足する状況をもたらしたのは、
間違いなく「グローバリズム」だと思います。

もっとも、「利益」ばかりが追求される世界においても、
「差し迫ったニーズ」に応える画期的な技術を追い求める人たちがいます。
先日、ご紹介申し上げたILC(国際リニアコライダー)や、
エクサスケール・コンピュータの開発など、日本がリードしている技術は
まだまだ存在するのです。

というわけで、齊藤元章氏との対談をご視聴頂ければ、
亡国につながる政策が次々に繰り出される環境における「希望」が見えてきます。

今週も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

PS
飛鳥新社から「亡国の農協改革-日本の食料安保の解体を許すな」が刊行になりました。
すでに三刷になりました。ありがとうございます!
http://www.amazon.co.jp/dp/4864104387/

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