第54回「国民経済の原則「資産=負債」」 2015年6月18日

稲田政調会長が、
「2020年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を
しておかなければ、金利の急上昇によって日本の財政が破綻状態になりうる」
と、とんでもない発言をして、三橋は怒り心頭に発しております。

何しろ、三橋はこの方に、過去に二度ほど財政や国債について
レクチャーさせて頂いた経験を持つのです。

ところで、プライマリーバランスの赤字とは、
政府の「純借入=借入-貸付」の金額が増えることです。
要するに、負債(借金)が積み上がることを意味しています。

国民経済の原則により、
「誰かの負債は、誰かの資産。誰かの資産は、誰かの負債」であるため、
政府が純借入=負債を増やしたとき、必ず反対側で純貸付=資産を増やした人がいます。
負債だけを増やすということは、この世の誰にもできないのです。

2013年の政府の純借入=負債増は、金額にして36.7兆円でした。
それでは、純貸付=資産増になった人は誰でしょうか。

実は、主に非金融法人企業(一般企業)です。
2013年の一般企業は、資産を35.7兆円も増やしました。

と言いますか、政府が30兆円を超す負債増になったからこそ、
一般企業が30兆円を超す資産増になったわけでございます。

「ということは、自分が資産を増やすためには、誰かが負債を増やさなければならないのか?」
という疑問が浮かんできたのではないでしょうか。
その通りです。

月刊三橋メンバーの皆様が資産(現金や預金など)を増やすためには、
反対側に必ず「負債を増やす人」が存在しなければならないのです。

「誰かの負債は、誰かの資産。誰かの資産は、誰かの負債」

という原則は、万有引力の法則以上に強固であり、決して覆すことができないのでございます。

上記を理解すると、
「経済とは何なのか?」
「国債とは何なのか?」
「財政とは何なのか?」
などについて、思考停止状態(「国の借金で破綻する~」とか)から解き放たれ、
自らの意志で真剣に考え始める切っ掛けにならないでしょうか。

今週も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

コメント数:1

  • guestsinichi11101www

    なぜこんなまともな議論ができないのでしょうか?何かその方たちには利益があるのでしょうか? 私は自分自身の考えで選挙もお手伝いしました!敵も作りました田舎からはもう逃げました。阿部さんにはがっかりです。もう日本から逃げます。

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