第51回「「定義」し、「最大」から見る」 2015年5月28日
月刊三橋のコメント欄に、様々なコメントを頂きありがとうございます。
コメントを拝見していて気が付いたのですが、
「目から鱗とが落ちた」
という感想が、実に多いのです。
恐らく、データや情報の扱い方が「マスコミ」とは異なるため、
「はっ!」と気づかされる方が多いのではないかと思います。
三橋はデータを扱う際に、まずは「最大」から入ります。(その前に「定義」しますが)
例えば「国の借金で破綻する」系のプロパガンダに対しては、まずは
「国の借金」を定義し(ご存知の通り、政府の負債です)、さらに日本国家全体の
「負債(借金)」全体の数字から分析するようにするわけです。
当たり前ですが、「国」イコール「政府」ではありません。
日本国は、大雑把に書くと「政府」「家計」「金融機関」「非金融法人企業」「NPO」と、
五つの経済主体の集合体として成り立っています。
というわけで「最大」を見るためには、政府のみならず
「全ての経済主体」の負債を見なければなりません。また、
負債だけを見ても仕方がありませんので、当然、資産についても調べます。
要するに、バランスシート(貸借対照表)を作るのです。
【日本の国家のバランスシート 2014年末時点速報値(単位:兆円)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/20150528-1.jpg
上記が、日本国全体のバランスシートです。
実は、日本国全体では負債額が何と6457兆円にも達するのです!
「借金が1000兆円どころの騒ぎではないぞっ!」
と、言いたいところですが、資産総額は6836兆円に達しており、
全体では379兆円の純資産状態になります。
そもそも、おカネとは「債務と債権の記録」であり、債務と債権は必ずイコールになるのです。
当たり前ですが、誰かがおカネを借りた(債務を増やした)とき、反対側で必ず同額のおカネを
貸した(債権を増やした)人がいます。債務「だけ」を増やすことは、この世の誰もできません。
などと、おカネについて諸々を理解していくと、最終的に
「おカネとは何か?」「借金とは何か?」「国の借金(政府の負債)とは何か?」
「なぜ、日本国全体で純資産状態になっているのか?」が理解できてくるわけです。
それに対し、上記のバランスシートの「政府の負債(国の借金)」のみを取り出し、
「国の借金が1000兆円超えた! 破綻する~っ!」
などとやっていては、現実について「何も理解できない」という話になってしまいます。
ちなみに、「おカネとは何か?」につきましては、
三橋の最新刊「超・技術革命で世界最強となる日本(徳間書店)」
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639442/
で解説していますので、興味がある方は是非、ご一読を。
今週も最後までお読み頂き、ありがとうございました。