第38回「耳が汚れる話」 2015年2月26日

月刊三橋ユーザーの皆様の中にも、昨年の東京都知事選挙において「田母神都知事」誕生のためにご支援頂いた方が少なくないのではないかと思います。
2月26日、週刊文春に「田母神「政治資金1億4千万円の使い途」 警視庁が重大関心! 都知事選「買収リスト」入手」というタイトルの記事が載りました。
記事は、
「田母神事務所の島本氏(事務局長)らが、都知事選を手伝った人に総額「二千万円」の買収資金を支払った。もしくは支払うことを持ちかけた。(ちなみに、三橋はお金を払うことを「持ち掛けられる」lことすらありませんでしたが)」
「『買収』のリストや通帳など、内部文書を週刊文春が入手し、警視庁も動いている」
「島本氏は200万円、会計責任者の鈴木氏が50万円受け取った」
「島本氏は最近、周囲に『最近、ベンツを購入したんだ』と自慢していたが、お金の出どころは何なのか」
「内部資料には、『閣下14,000,000円』という記述がある(注:田母神氏本人を指すと思われる)」
などなど、まさに「耳が汚れる話」で満ち満ちていました。

要するに、都知事選時に集められた1億2千万円の寄付、及びその後に集められた2千万円(総計1億4千万円)が不正に使われたのでは、という疑惑があるわけです。
昨年の衆院選前の時点で、1000万円「くらい(田母神氏の発言から)」しか残っていなかったとのことで、疑惑をもたれても仕方がないでしょう。

不思議なのは、週刊文春に先駆け、2月19日時点で上記を報じたチャンネル桜の水島社長に対し、田母神氏が2月20日の記者会見において、
「都知事選後に水島氏から資金を「がんばれ日本」の口座に移して欲しいと持ちかけられ、断った」
と、発言したことです。その後のTwitterでも、田母神氏は水島氏の批判を展開していました。
いやいや。上記の話が事実だったとしても(三橋は事実だとは思ってませんが)、都知事選終了から衆院選までの期間に1億円近いおカネが「消えてしまった」というのが、疑惑の本質であり、「水島氏云々」は関係ないでしょう。
田母神氏の記者会見やその後のTwitterからは、事態を「消えたお金の問題」から、チャンネル桜との確執、対立にすり替えようという意図がありありと感じられました。
これまた、耳が汚れる話でございます。

史記の伯夷伝には、中国の伝説上の人物である許由が、堯(天子)から帝位を譲ると言われ、「汚れたことを聞いた」と耳を洗ったという故事が記されています。
政治が「汚い」のは今も昔も変わりませんが、それにしても限度というものがあると思った次第でございます。

都知事選の際に、三橋ブログなどをお読み頂き、田母神陣営に貴重な「ご寄付」をして頂いた皆様に、深くお詫び申し上げます。申しわけありませんでした。

もっとも、現在の日本が抱えるデフレーションという問題は、政治以外では解決することができません。「耳が汚れる話」を受け止めつつ、それでも政治を動かし、国民が豊かになる経済を取り戻さなければならないわけです。
耳の汚れに耐え、あるいは洗い流し、国民が豊かになる「経世済民」を達成するべく、また頑張りたいと思います。

今週も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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